2008-06-17

久しぶりに火器を購入

久しぶりに火器を購入した。火器と言っても、キャンプ用のガスバーナーのこと。

昔、日本で自転車旅をしていた頃は、MSRのウイスパーライトと言うホワイトガソリンを燃やすコンパクトストーブ(=ガスバーナー)を持っていたが、十年ばかり(もう十年!)テントで泊まるような旅をしてこなかったので、必要になる場面もなかった。



それが昨年の晩夏から本格的に登山に復活して、シビッリーニ山脈の主要ルートもほぼ全て歩き、体力と自信を取戻すことに成功した。すると、今度は、泊り掛けの縦走という目標も自然と見えてきた。そこで、大都会FERMOのなじみの店で、CAI(イタリア山岳会)会員割引き価格50ユーロ前後で購入したのが、コッヘル(食器兼なべ)とバーナー。

バーナー MSR Pocketrocket (85g)
コッヘル PRIMUS Trek Kettle (252g 1リットル)

金色のシェラカップはエバニューのかなり古いもの


コッヘルは店で在庫のアルミ製のものは一様に内側にテフロン加工が施されているのが少々残念だった。テフロン加工は武器(ナイフやフォーク)で調理したり食べているうちに、きっと剥れてしまう。木のハシで対応しようと思うけど、山では難しいこと考えずに、ひたすらガツガツ、ワシワシと勢い良く飯を食いたいのが本音。

軽量かつ熱伝導性の良いチタン製はテフロン加工がなかったが、値段が倍以上なので却下。テフロンがついていないのは軽量を追求したためなのだろうか。それともチタンは焦付きにくいのか。要研究。

ストーブは大満足。軽いし、火力も異様に強い。調整つまみを左に振りきると、ゴーッと勢い良く、それこそ溶接用のバーナーのように炎が立ち昇る。弱火・中火を中心に使わないと、鍋の底が溶けるんじゃないか心配になるくらい。メーカー発表データによれば、1リットルの水を 3.5分以内に沸かすということだが、シェラカップの水が一分もしないうちに沸いたのには感動した。昔、大学山岳部で使っていた鈍重なブス(ホエ「ブス」の灯油バーナー)がはるか彼方にかすんで見える。自転車旅で愛用していたMSRだって、組立てて、燃料タンクをポンピングして、予熱して、、、、湯を沸して、茶を一杯飲むまでに10分はかかった記憶がある。そうだ、思い出してみれば、だからあの頃は、ちょっとした休憩で茶を入れたことが無かった。

こいつとならそれができる。すごい。

雨でびしょびしょになって辿着いた避難小屋で、ザックをおろし、ほんの3分後には熱い茶が飲めるのだ。革命的だ。

手も耳もかじかんで、身も心も凍りそうな雪山で、ツエルトの中でバーナーを付ければ、そこはあっという間に常夏の国、太平洋ハワイランドだ。革命的だ。

すごいぞ。新時代の幕開けだ。

こういう機能的で、無駄のないもの、研澄まされたデザインのものを手にすると、一晩中眺めていても飽きない。

早く山で飯を炊きたい。で、静けさの中でゴーッと頼もしく立ち上る炎を見つめ、ひとり、ニヤリとしたい。

ゴーッ、ニヤリ。

2 comments:

  1. 日本からこんにちわ。
    火器を買いましたか。コンパクトなガスバーナーはかなり昔からありましたよ。私の持っているのはEPIです。
    確かにガソリンやケロシンに比べたら便利だけど、ガスカートリッジがガソリンに比べたらお金がかかるので、学生のときはガソリンストーブを愛用しておりました。使っていたのはスベヤとピーク1。
    最近はカセットボンべの使える岩谷の携帯ストーブを主に使っています。カセットボンベ、量販店で1本100円以下で買えるから費用効率は最高。ただストーブ本体が少々重いのが難。300グラムくらいある。
    チタンの鍋、買わなくて正解でした。チタンの鍋ではお米は炊けないそうです。焦げ付いてしまうため。日本の登山用品店でそう聞きました。

    ReplyDelete
  2. 昆明夫婦さん

    わざわざミクシと両方にコメント下さって、ありがとうございます。

    ピーク1!懐かしいですね。BE-PAL全盛期の頃に憧れました。でも重いんですよね。そこで買ったのがウイスパーライトでした。

    カセットボンベが普及している日本ではいろいろと裏技がありそうですね。ただ、こちらで嬉しいのは、PrimusもColemanもMSRもカートリッジの口が共通だということ。唯一例外が青色の缶で有名なCampingGAZだそうです。

    チタンは熱しやすくさめやすいようで、火力が鍋全体にじわりと伝わらず、1ヶ所に集中してしまう、だから焦げやすい。そのかわり、冬は効率が良い。ということのようですね。

    今日の昼はこちらの生協で買ったインスタントのポレンタかミネストラスープをストーブとコッヘルで作ってみます。

    早く茹上るパスタ!なんて製品を日本ではかつて愛用していましたが、イタリア料理の素材のはずが、イタリアには売っていません。これもまた日本的合理主義の産物のようです。イタリアン・ドレッシングがこちらでは売ってないのと同じで。

    ReplyDelete