Transumanzaという言葉を辞書で調べると、「家畜の季節移動」という言葉が出てきます。なんだか妙に硬い訳語ですが、要はハイジのペーターが家畜を連れ、季節によって山を下りたり上ったりしていたあれです。
http://en.wikipedia.org/wiki/Transumanza
http://it.wikipedia.org/wiki/Transumanza
今でも山に登ると、牧草地(主に休耕中の畑と山間部の草地)を求めて移動するヒツジ飼いの姿を見ることはありますが、現在は自動車道をヒツジたちに歩かせることは法律で「一応」禁止されているようで、長距離の移動はトラックを使用しているようです。
何でも少し昔までは、羊を連れてかなり長い距離を歩いて移動することがあったようです。実際どんなルートをたどって歩いたのか、今も残っている野道はあるのか、どこで寝泊まりしたのか、など、いつか調べてみたいテーマです。
典型的な3K労働とも言われている羊飼い。今となってはその大部分がイタリア人ではなく、隣国アルバニアの出稼ぎ羊飼いだと言うことです。どれほどきつい仕事なのか、やはり孤独な仕事なのか、果たして放浪の吟遊詩人スナフキン的な要素はあるのかないのか、本当にもうからないのか、体験してみたいですね。
写真のヒツジの群れはそんな習俗を回顧する祭りの場面です。日曜、妻と山(Forca di Presta, Castelluccio近辺)へハイキングに行った時、Forca di Pesta峠へと通じる道 (Balzo di Monte Gallo)でこの祭りにぶつかってしまい、牛・羊の群れの通過を1時間ほど待たされました。迂回路もないのに、こういう道路封鎖が予告もなく行われるのが、いかにもイタリア。
そんなこんなで出発が遅れたハイキングも、夏時間のためもあり、日没前には歩き終わることが出来ました。結果オーライもいかにもイタリア。
そう、イタリアでは日々、
臨機応変につじつまを合わせる適応力
= l'arte di arrangiarsi
の能力が問われます。公的な社会システムが日本ほど機能しないこの国では、ハプニングの度にいらいらしていると生きていけません。自分たちでどうにかするしかないし、不思議とどうにかなるのです。= l'arte di arrangiarsi
ハイキング中、人なれしたキツネ氏にこうして出会えたのも、出発が遅れたおかげかもしれない。と、今回も結果オーライと言うことで。
人間の人口より羊や牛の方が多そうですね。きつねかわいい。
ReplyDeleteそりゃ間違いなく羊の方が多いです。山でも羊の群れをよく見かけますが、まず、羊飼いの姿を探します。時折、羊飼いがおらず、牧羊犬が番をしていることがあり、そんな時は要警戒です。いざとなったらいかにして犬と戦うかを脳内シュミレーションしながら、びくびくと、なるべく遠巻にして歩くことになります(笑)
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