なんとか、冬山に復帰できました。
仕事が忙しかったのか、厄年を言い訳に怠け癖がついてしまったのか、はたまた中部イタリアを襲った大地震のせいか、例年の冬のベースキャンプ、フォーチェ村へと通じる道がいまだに閉鎖中(地震による落石が不安という、閉鎖期間の延期が未来永劫可能そうなあいまいな理由ですが)のためかわかりませんが、この冬もなかなか山に足が伸びず、高価な要りもせぬ新しい道具ばかり集まるという、山道具を集めるために稼いでいるのか、稼いでも山に行けないから散財するのかわからぬ、現代人らしい悪循環が続いておりました。おおいに貯めてフェラーリでも買おうなんて、壮大な夢は当然描けず。
ともかくも。フォーチェに行けぬなら仕方ないと代替ルートを求め、こんな所を二度ばかり歩いて、こんな写真を撮ってきました。

867mのヴァッレグラッシャ村からバンディテッロ山(1863m)にいたり、稜線闊歩ののち、以前働いていた小屋のあるアルティーノ村を経由して帰投。黄色は雪崩リスクのありそうな斜面。幸い、雪の状態は安定しているようでした。

朝。730出発。きれいにモルゲンロートしてましたが車で登山口に向かう途中で終わってしまい、撮り逃しました。一日中無風。気温2度から9度くらい。イタリアの天気予報も三日先くらいまではかなり精度があがりました。

光がぼんやりしていてめりはりのある絵はなかなか撮れませんでした。白黒・赤外調でごまかしてみたり。それでも青空でないとぱっとしませんね。

今回は全ルート、新兵器のスノーシューMSR ライトニング・アッセント22 W's+念のためピッケルで。
高度感のあるつるっぱげの急斜面の下降ではやはりアイゼンが欲しくなりましたが、凍りついてなければ、かなりのトラクションがきいておすすめです。なにより軽さは武器。ただし。。。
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deck fraying problem of Lightning Ascent 22 W's, caused by the metal buckle of strap |
小型・軽量であえて女性用モデルを選んだのが裏目に出た(たぶん靴とデッキとのクリアランスが男性モデルより狭い。たぶん。)可能性もありますが、EU42.5 USA 9という靴のサイズ的にはメーカーの推奨サイズの範囲内なので、試し履きのできなかったオンラインショッピングの限界と設計ミスの半々ではないかと。とりあえずMSR(というかカスケードデザインが親会社のようで)にどうしたらいい?と質問中。で、回答を待つあいだ、とりあえず軽く縫い、さらにシール式の自転車パンク修理パッチ(Park toolのやつです)で補強しました。パッチが雪との接触で剥がれなければいちおう解決かな。
2017/02/15追記。カスケードデザインから返信があり、「バックルがぶつかる問題は残念ながら生じている。同じ問題に直面したユーザーの多くはぶつかる部分のデッキを少しカットしている」というメーカーとしては結構大胆なアドバイスが来ました。ちと驚いたのでそれは公式見解かと問い直すと、「あれだったらこちらでカットするからアイルランドのメンテナンス部門に送ってくれ」とのこと。送料が少々痛いですが、まあ、メーカー純正カスタマイズ&メンテと思って送ることにします。結果はまたご報告。
そういえばビデオも軽く撮りました。まあ、こんな感じの山です、という程度の動画です。
2017/03/03追記。メーカー送りから20日ほどで戻ってきました。期待していたほどの特別な処置はなく、結構大胆にざくざくとハサミで切っただけという感じ。そういうことのできる素材だという意味かも知れませんが、待ったほどの甲斐はなかったかも。同じ問題に直面した方は、新品の曲線ばさみでも購入して自分で切るのが良さそうです。